ヒサキの半生

フリーランスクリエイター [ 社会人編 ]ブラック企業からの脱出 Roots vol.3

Contents

大学卒業後はまずはブラック企業を経験

順番的には大学編ですが、転職話のほうが役立ちそうという理由から[ 社会人編 ]に突入します。

これは自分が28歳〜30歳頃の話です。(たしか)
時代を予測して行動、などとは無縁でまったく考えずに動いていました。仕事内容、経済面に重きをおいて職場を選んでいましたが、自身の価値観や自分が窮屈に感じると抑圧されることを感じ、価値観やプラスの感情で過ごせるということも考えるようになりました。あとは雇用側のずるさが見えると続かない、信頼できなくなるので関わることをやめました。

大学を4年半かけて卒業し、採用試験の勉強をしたり、塾でバイトをして過ごしていました。

大学時代はあまり熱心な学生ではなくバイトと課題制作以外はあまり記憶にない4年半をおくっていました。単位がたりず卒業に必須の実習に参加できず、半年延長して卒業しました。
せっかくなのでこのときに学芸員の資格を取得しました。図書館司書もとろうと思い講義を受講したところ、内容が不向きすぎて1回の授業であきらめました。本をカテゴリ別に分けてゆくのですが楽しさが見いだせず、これは事務職が苦手というルーツです。司書の方に作業フォルダとか管理していただきたい。

氷河期どまんなかの威力、あらゆる仕事がない

教員免許も取得したし美術講師をやるか、とあっさり考えていました。
講師は中学校や高校の病欠や産欠の方のかわりに期間契約で教師の代わりに働くことです。なので担任やクラブ顧問、会議にも出るし生徒指導も行う、校務分掌も担当と遜色なく働きます。
が、美術免許という母数の少なさ、登録すれども講師の口もしばらくなかったです。3ヶ月ほどして学校が見つかり勤務しました。
学生相手のやりがいを感じながらも美術という好きな教科が「副教科」とよばれていました。
メインじゃないんですよね、と自ら名乗っている教科。学生、教員へだてなく「美術」が軽く扱われているのは本当に我慢ならないものでした。学生時代からアートやスポーツの価値をさげる義務教育を日本国民は受け続けているのですよ。何十年もそういう教育を続けているのだから社会がそうなってきます。

講師の契約が切れた28歳のタイミングで転職。
アドビソフトの知識は初歩、デッサンやイラストは大学でやっていたし、現場にすぐとびこもうと考えていましたが、ところが、ない、アルバイトですら希望の職種に決まらない。!という現状でした。

退職金はそこそこもらったので、汎用性が高いだろうと職業訓練で「色彩:カラーリスト養成講座」を受講することにしました。
企業に雇われていた方は「雇用保険」を受給していましたが、公務員は雇用保険に入っていないのでメリットは無料で受講、にとどまっていました。
せっかくなので色彩検定1級を取得し今も使える知識です。

社会性を高めるところからスタート

百貨店催事で接客

28歳、仕事は決まらないものの食べるための仕事は必要、ライスワークというやつです。
なるべく社会人として汎用性の高いものを、と思い接客スキルを学べる「百貨店催事の接客」勤務をおこないました。対面で接客しつつPCに入力してゆく、笑顔で爽やかに、というものを経験。
仕事は確認の連続ということに驚きました。些細なことも確認、どうしたらいいですか?の連続。

学校勤務中は自己裁量で決定することも日常だったので社会人ってこんなに確認せなあかんの??と驚きました。確認せずに怒られることも多く、見張られている感を思い出します。

勉強になったことは顧客心理です。
お客さまはセール商品を買うのが「本当は欲しいけれど恥ずかしい」ということ。見栄と本心の関係性ですね。購入に至るまでに何かしら言い訳や理由が必要で「こんな素晴らしい商品がとってもお得に提供させてもらってるので今がチャンスです!」「このチャンスを逃さないでください!」とすすめて笑顔で購入にいたる。「チャンスを逃さない目利き」的なもちあげだったり。その方のプライドを守りながら気持ちよく過ごしていただく、接客のむずかしさを感じました。百貨店のプロの接客には関心しました。

業界屈指のハードモードなテレオペ派遣、採用試験で倒れる人も

仕事をするならかならず発生する社会人としてのマナー、そして電話対応。
時給もそこそこよくて、4ヶ月ほどの契約でしたが、クレーム対応に近い内容に若干病みました。
顧客対応、外部エンジニア対応、日程調整、外商対応、社内エンジニア対応、すべてをPCファイルに話しながら入力してゆく、受電と架電、通話時間の目安が決ま品質チェックされたり、件数によるノルマがあり、表彰もありましたが、下位の発表もありと厳しめでした。
相手先によって身内、発注者として、受注側として、お得意さまへの対応と何役演じたらいいのか??という立場も複雑でした。派遣会社を通じて働いてましたがこのテレオペできたらテレオペはどこでもできる。といわれましたが、後に知る最恐テレオペは生命保険かなと思います。

大企業の資料やマニュアルにはノウハウがつまっていました。正社員で働いてる人同士の派閥も激しく、会社の内部事情もいろいろな人間関係でなりたってるようでした。

最初のクリエイティブな仕事ははブラックなアルバイト。試用期間3ヶ月で辞めたサインデザイン会社

超絶なブラック会社でした。

学歴コンプレックスの激しい同じ年齢の上司のパワハラとモラハラが日常的に繰り広げられ、3ヶ月で表情が変化しました。
公務員って守られてたんだなーとしみじみ思いました。無法地帯の言った者勝ち、社長は自分に有利な労働者のことを考えていない書類で契約させる、社会やばい。
こんなことが当たり前に許されているんだと自衛のために速攻で法律を勉強しました。

公務員での勤務経験、派遣勤務を経験していたので、ブラック企業と比較できましたが、最初からブラック企業で働いてる人は普通っておもってしまうかもとゾッとしました。こういうブラックな企業も仕事がなくなると困る労働者の足元をみて裁かれないのほんとどうなのか。交通費有りの契約で支払われていない方もいました。

この企業で行われていたこと

  • 社会保険なし
  • 雇用保険なし(週5フルタイム:休日出勤あり)
  • サービス残業毎日(上司によるパワハラでやらざるをえない追い込み)
  • 休日に営業先とのスポーツたびたび(無給・自腹 選択肢なし)
  • モラハラ/パワハラ
  • 残業代なし
  • 研修期間中に上司と同等のスキル求められる
  • 研修期間中にひとりで現場施工
  • その日に失敗したこと毎日記録・謝罪
  • 高所作業を単独施工(試用期間中)
  • 残業自慢

この試用期間3ヶ月で人生初めてワーキングプアを体感。
頑張って働いたから報われるというのは嘘だと判明。
募集内容とのギャップもはげしくデザインはほとんどしていないです。
やりがい搾取の低賃金。俺も辛い経験したからおまえも同じ目にあえ、というクズな上司の意味不明な教育方針でした。後々そういう発想の人が社会には一定数存在すると知る。オープンソースの考え方の真逆。教育現場にいたために逆目からウロコ事件でした。
この教育方法を実践し続けていると人類は永遠に前にすすめない呪いの教育です。

当然ですがこの会社でクリエイティブスキルは身につかず。
そしてストレスと過労で6キロくらい痩せました。ブラック企業への対策スキルがアップしました。

そしてこのサイン会社はいまはないです。

どうやって抜け出たのか

ちょうど9月から働き、12月末の年末年始休みが1週間ほどあり開眼しました。
これがなければ身も心もおかしくなっていたと思います。

話しあいをしても不毛なので、新年そうそう出勤した瞬間に「今日で辞めます」と伝えてすぐ辞めました。会社を出るときには笑顔を取り戻しました。

まだ話しが通じる営業の方から、前にいたクリエイティブ枠の人もその前の人もその前の人も、上司のモラハラとパワハラで泣きながら辞めた人もいる、と聞いてうんうん、知ってた状態。

ささやかな対抗としてタイムカードのコピーをためて労働局に伝えておきました。
いまならもっとやれることがわかっているのが悔しいですね。

安心して働けない、パワハラ、モラハラ、サビ残など相談は労働局:地域の労働基準監督署へ相談しましょう

困っている時は相談しましょう。ささいなことでもちゃんと話しをきいてくれます。
その際には具体的につたえられるように準備しましょう。

証拠を残しましょう!

  • サビ残なら、何時間オーバーしているのか
  • 契約書との内容の相違点
  • 時間労働されている方はログがある書類やデータを残すなど客観的に証明できるもの
  • 勤務先に相談した際のやりとりの内容を日付つきでメモに残す
    (メモも証拠になります)
    (相談したという改善したい、解決したいと前向きな行動は必要です

ディベートや自分の意見を人に伝えることが、苦手な方は多いです。
うまく言えなくてもいいので自分の意見をまとめ、人に伝えることは大切です。
練習にもなりますので些細な問題とおもわずにしんどいと感じることは誰かに聞いてもらいましょう。

就労に関することで悩んで溜め込むまえに相談をすすめます。

https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/list/_86362.html

セクハラの相談窓口はこちら

スマホで気軽に音声データも録音できます。
証拠を残すことで訴えをきいてもらいやすくなります。

この仕事についてレベルアップしたこと

防御力がアップしました。法律は自分で使ってこそ効力を発揮する。

学んだこと
  • 少人数すぎるところはリスキー
  • 契約書は要確認
  • 悪意ある人間も特に罰されずのびのびとすごしている
  • 我慢は無駄、即辞めることに罪悪感をもたない
  • 労働局に社名をだして相談する
  • 法律は武器
  • 仲の良い人、親は敵になることがあるので注意
  • やりがい搾取に気づくには数字で冷静に判断

いままさにブラック企業で働いてる方々。
好きな仕事だから低賃金、長時間労働でも幸せ、とか思っていませんか?
スキルアップにつながるならステップアップの一環として働くこともよいと思います。本当にやりたいこと、送りたい生活なのかを自問し動く、スキルを身に着け転職するなど解決につながることを願っています。

いまと違ってクリエイティブな派遣というカテゴリーが存在しない時代だったので、クリエイティブな求人をさがす事自体がムズカしいとうこともありました。ただ、ブラックな職場というのは現存するでしょうし、この話しに登場する上司のような考え方の人は案外います。
先にいる、とわかっていると対策しやすいです。
急にでてくるとびっくりしますが、Gが出るとわかればスプレー用意しとこ、と行動できます。

そして余談ですが辛くて親に相談しようものならだいたい「続けてみなさい」と辞めさせない回答も多いです。変化を好まない、他とちがうことをよいと思わない、かんたんに仕事をやめるべきでない、など現状に対応するよりもルールをまもりたい人は存在します。親世代の価値観の押し付けなどの思考停止による回答をされることもあります。信頼した相手に苦しいときに相談して絶望的な返事がかえってきたときには2重に絶望し傷つくでしょうが「そんなものだ」と思って決断されることをすすめます。自分の人生なので自分できり拓く気持ちで。

ストレスから健康被害や鬱にもつながるので、自身の意思を尊重、自身を信じることで決断をくだすことが大切だと思います。

次回 Roots Vol.4[ 社会人編 ]は、紹介ではいった動画制作会社のはなしです。
ここまで読んでいただきありがとうございます!

ひさき

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